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事例紹介

新卒採用をデータで変革する―インサイトを得るための分析支援

新卒採用をデータで変革する―インサイトを得るための分析支援
兼松株式会社
2022年~2023年

兼松株式会社は、電子・デバイス、食料、鉄鋼・素材・プラント、車両・航空などの幅広い分野で事業を展開する総合商社です。1889年の創業以来、日本のみならず世界各地で事業を展開し、グローバル企業として歩みを進めてきました。

行動と結果のつながりが見えないという課題

各業界で売り手市場が続く昨今の情勢に加え、コロナ禍で採用手法にも変更を余儀なくされる中、採用効率の向上が同社の課題の一つとなっていました。

同社内で実施されたデータ分析の結果、選考フローの中でも、本選考ES提出および内々定承諾フェーズに課題があることが判明していました。ただし、インターンをはじめとする各施策がいかにそれらの数値に影響を与えるのか等、具体的な打ち手との関連性は見いだせていない状況でした。

上記課題について、かねてからJdexが提供していた「DX講座」の取り組みをきっかけにご相談いただき、同社初のテクニカルなデータ分析パートナーとしてご支援を開始しました。

データの棚卸しから採用関連データの分析へ

協業開始後、すぐに社内の採用関連データの棚卸しを開始。採用に関わるデータには応募者データなどセンシティブな情報も含まれるため、取扱にとりわけ注意が必要です。今回は個人情報を一切取得しない形で分析を実施しました。また、採用関連データには「人」にまつわるデータだけではなく、企業が取り組む「施策」のデータも含まれます。例えば新卒採用のイベント一つとっても、学生側が訪問するイベントから社員が大学等へ出向くブース型イベントまで様々であり、検討すべき項目も多岐にわたります。こうした複雑なデータを活用可能なものにするため、状況整理および仮説設定の段階から戦略的かつ丁寧に分析を進めました。

応募者が有する様々な属性をキーとして整理した採用関連データをもとに仮説の設定と検証を繰り返し、有意性ある結論の導出を目指しました。本選考ES提出率や内々定承諾率の向上に寄与する要素、アトリビューションを分析しました。

その結果、本選考ES提出率の高い応募者集団のイベント参加傾向が明らかになりました。さらに、各種イベントやインターンシップといった複数の施策の中でも特に効果の高い施策の特定にも成功。加えて、ターゲットとする応募者の属性ごとに最適な接触施策および必要な工数が異なることも可視化されました。

属人的だった採用ノウハウの裏付け・ナレッジ化に成功

以上のように、社内に蓄積されたデータを戦略的に分析した結果、接触機会の再設定やリソース配分の見直しなど、採用効率向上に向けた解像度の高い打ち手が発掘されました。

また今回の分析結果には、同社の人事担当者が経験として持っている知見と重なる部分も多く見られました。これまで属人的だったノウハウがデータ分析によって裏打ちされ、共有可能なナレッジの形に変換されたことも、組織成長に貢献する成果の一つとなりました。

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